• Akiko Yamanaka

いつもの「悪いクセ」から抜け出すための方法とは!?


気がついたら、「また食べすぎた!」あるいは「飲みすぎた!」という経験って誰でもありますよね? 暴飲暴食だけでなく、1日中スマホやタブレット(またはSNS)を見続けてしまったり、あるいはギャンブルに没頭してしまったり、私たちは実に様々な形の「悪いクセ」を繰り返してしまうことがあります。

そもそも、「悪いのは知っているけれど、なぜかやめられない」この「悪いクセ」の正体はいったいなんなのでしょうか? 米マサチューセッツ医科大学の准教授で、依存症専門の精神科医であるジャドソン・ブルーアー博士によると、人は、一度でも「快感」を感じる行動を体験することで、その行動を繰り返すようになると言います。脳は記憶にある「快感」を要求し、そしてその要求に答えるというサイクルを繰り返してしまう働きがあるそう。そして、私たちはそんな「いっときの快感」を得るために、何度も同じ行動を繰り返してしまうというループに陥り、それが「悪いクセ(依存)」という形に姿を変えてしまうとブルーアー博士は明かします。


悪いクセから抜け出せないメカニズム

例えば、不安を感じると、どうしても甘いお菓子を食べてしまう人がいるとしましょう(タバコやお酒に手を出してしまう人でもかまいません)。甘いお菓子(またはタバコ、お酒)を食べれば、一時の不安を押さえられるかもしれません。でも、それは長くは続かず、何度も不安が襲うたびに、お菓子を食べるという行為を繰り返すことになってしまうのです。


ブルーアー博士によれば、これを解消するには「強い意志」や「しっかりした目的意識」を持つだけでは負のループから抜け出すことはなかなか難しいと言います。もし、「強い意志」や「しっかりとした目的意識」を持つだけで、「悪いクセ」から抜け出すことができていたら、肥満や極度のスマホ・SNS依存、アルコール中毒や薬物中毒に苦しむ多くの人たちは、とっくにいなくなっているはずだとブルーアー博士は語ります。

では、どうしても抜け出せない「悪い癖」から脱却するためには、どうしたら良いのか? その方法とはいったいどんなものなのでしょうか?

自分の行為に好奇心を持って向き合うこと

ブルーアー博士は、マインドフルネスのメソッドを用いて「悪いクセ」を断ち切ることができるか、臨床実験を行いました。なかなか断ち切ることができない「悪いクセ」を実際に行いながら、その動作に集中してみることで、今までに気づかなかった感覚に気づかされる効果があると明かします。

例えば、アイスクリームやクッキーが無性に食べたくなる衝動に駆られるとします。そうしたら、まずはアイスクリームやクッキーを実際にたくさん食べてみればいいのです。一口一口食べながら、その時に体がどのように感じるのか、食感や風味などを注意深く観察します。たくさんアイスクリームやクッキーを食べた後のお腹の調子はどんな感じか、また糖分をたくさん摂った後の体調はどんな感じか、そこまでしっかりと観察してみることがカギになると言います。そうすることで、今までに気にならなかった体調の変化や味に気づき、「悪いクセ」の負のループを断ち切ることができるようになるのだそう。

今まで、暴飲暴食をするたびに脳へのご褒美として与えていた「快感」と感じていた味や高い糖分が、とたんに「快感」には感じられなくなり、今までに感じることのなかったネガティブな感覚が生じることによって、もっと健康的な「習慣」を始めようという気持ちが起こるようになるとブルーアー博士は語ります。


マインドフルネスのメソッドで高い効果

また、2011年に発表された研究では、このマインドフルネスのトレーニングを実際に薬物やアルコール中毒の患者に行ったところ、米国肺機能協会が行っている「禁煙ための治療」の2倍もの効果があったと言われています。


もし、あたなが今すぐ「どうしてもやめられない“悪いクセ”から抜け出したい」と考えているならば、まずは落ち着いて深呼吸を2、3度繰り返してみてください。そして「なぜ、私はこの行為を行ってしまうのか?」と自分自身に尋ねてみることから始めてみるといいかもしれません。いったい、どんな答えが返ってくるのか、自分自答してみるとよいでしょう。そして「今までの“悪いクセ”の代わりに、これからどんな新しい習慣に置き換えられるだろうか?」と考えてみることで、負のサイクルを完全に断ち切るきっかけになると言えるでしょう。