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  • 執筆者の写真Akiko Yamanaka

ひょっとしてアナタもナルシスト!? 身の回りにいるナルシストに対処する方法とは?


「ナルシスト」という言葉を聞いて、みなさんどんな人物像を思い描くでしょうか? 一般的に「ナルシスト」と考えられる人の顕著な特徴として、自己陶酔型で、他人の気持ちや経験について質問をすることが滅多にない人のことが挙げられます。

人は誰でも、自分自身を中心として考えがちになりますし、自尊心というものを持っています。心理学者たちは健全なレベルでの自尊心を「ヘルシーなナルシズム」と呼ぶこともあるほど、私たち自身がナルシズムとは切っても切り離せない関係にあることは確かです。

ナルシズムは、「承認願望」が根底にあると考えられています。他人から認められたい、褒められたい。また自分が価値のある存在であると思いたいという気持ちは決して大きな問題ではありません。人間の本能として、自己認識の一部として、承認願望は自然な意識でもあるからだそう。


肥大化した自尊心に要注意!


ところが、「ナルシズム」が人間関係を傷つけるようなレベルに達した時、何らかの方法で対処する必要に迫られることがあるかもしれません。肥大化したナルシズムは、自分自身が気になりすぎて鬱のような状況に陥ったり、周りの人間に対して自分を評価するためのツールとしてだけ利用するようになってしまう傾向があると言われています。

また、自尊心が大きくなりすぎることで、人は他人への共感する気持ちが欠如していき、こうした感情が人種差別や性差別、外国人嫌いをはじめとする様々な差別意識を生むと考えられています。こうした感情に支配されてしまうと、健全な人間関係を築くことすら難しくなってしまうでしょう。

こうした過度なナルシズムは、子供時代に形成されていくとも考えられています。一説によれば、親が子供を特別扱いしたことにより子供のエゴを増長させてしまったことによるもの、あるいは、親が子供をあまり褒めなかったことで、子供自身が親のエゴを真似るようになってしまったことなどがあるようです。また、専門家によれば、現在のSNS文化が私たちの虚栄心を増長させるツールになっているとする説もあります。




ナルシストとはいったいどんな人のことを言うのか?


まず、配偶者や恋人、友人、上司など身の回りの人たちにナルシストはいるでしょうか? あるいはひょっとすると、自分自身がナルシストである可能性もあるかもしれません。ナルシスト研究で知られるニューヨークの心理学者カレイン・サンダースによると、次のような特徴を持った人がナルシストである可能性が高いと言います。

・他人からのフィードバックや批判に対して極度に反応する

・他人から認められていないと感じる気持ちが強い

・人間関係で失敗してしまうことがよくある

・他人の失敗や不器用さが許せない

・ある人を完璧だと思って美化することがあるが、その人に一度でも失望させられると、見下すようになってしまう

・自惚が強く、常に自分が正しいと思ってしまう

・他人対して共感する気持ちが少ない

ただし、この条件だけを持って、あなた自身、あるいは他人をナルシストかどうか診断することは難しいことは確かです。しかし、もし自分自身がナルシストかどうかを心配しているようであれば、ナルシストではない可能性が高いと言ってもいいかもしれません。「ナルシスト」と考えられる人は、一般的に他人への共感を持ちにくく、自己反省する気持ちが欠けている人だと言われています。30年間ナルシストについて研究を続ける精神科医デイビッド・リースは、「もし、ナルシストがどんな行動をするのか気がついている人は、ナルシストでないか、ナルシストであったとしても軽いものでしょう」と話します。



ナルシストと思われる人にはどう対応したら良いのか?


また、リース医師は「もしナルシストと思われる人と関わりを持ち、その人から逃れられない状況にあったとしたら、まずその人から “あなたが正常ではない”と思わせるように仕向けられないようにすることが大切です」と明かします。加えて、ナルシストである彼らよりも、あなたの方が現実を理解することができることを覚えておくことが大切だとも語っています。ただ、彼らが間違っていることを言っていると思っても、決して彼らのセラピストになろうと思ったり、彼らの間違いを指摘したりしてはいけないとも指摘。ナルシストとの関わりのポイントは、彼らの行動からあなた自身を守ることだけで十分だそう。

自分自身をナルシズムから遠ざけるためには、他人に対して持つ優越感や「自分はこれだけしてもらえる権利があるはず」と言ったネガティブな感情を断ち切ることから始めると良いかもしれません。まずは、感謝の気持ちを忘れないこと。そして、自分自身の短所を認識し、他人への思いやりの気持ちを持つ訓練をすることがカギになるでしょう。


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