• Akiko Yamanaka

心のフィットネス「マインドフルネス」っていったいナニ!?

更新日:2020年6月27日


気分が落ち込んでいたり、やる気が起きなかったり、何をしても楽しくなかったり、誰とも会いたくなかったり、疲れが溜まっていたり…。誰もがそのような経験をしたことってあるはず。そんな時、「あ〜疲れてるな」とか「気分がのらない」と思ってやり過ごそうとするものの、誰かに言われた一言がいつまでも胸に引っかかっていたり、先行きの不安を抱えていたりして、ネガティブな思考の出口のないスパイラルにハマってしまうのが人間というもの。

人間の脳はネガティブに流されるようにできている!?


『幸せになる脳をつくる』の著者で神経心理学者のリック・ハンソン博士は、「人の脳の中で、ネガティブな経験はマジックテープのような粘着質があるのに対し、一方で良い経験は防水コーティング加工のようにすっと流れていってしまう」と語っています。このようなバイアス(偏った傾向)は、まさに私たち脳の構造に組み込まれており、私たちの本能や感情をも左右してしまうのだそう。

脳の中心にあり、体のアラームシステムをつかさどる扁桃体にあるニューロンの活動は、3分の2がネガティブな経験に専念していると言われています。また人間の体が分泌するホルモンのシステムもこの「ネガティブなバイアス」に大きな影響を与えていることもわかっています。なかでも、私たちの体にはネガティブな経験に反応するコルチゾールやアドレナリン、ノルエピフリン(ノルアドレナリン)など数多くのストレスホルモンが存在しています。こうしたストレスホルモンは、他のホルモンよりも、即効性があり、体によりパワーのある影響を与えてしまうのだとか。

こうした私たちの体の構造からも分かるように、私たちはネガティブな思考にどうしても陥りやすい体質をもともと持っているということが分かります。では、こうしたネガティブ思考の「泥沼」から抜け出すにはいったいどうしたら良いのでしょうか?


世界で注目を集める心のフィットネス


そこで有効だと考えられているのが、心のフィットネス「マインドフルネス」なんです。「マインドフルネス」は実践することで、ストレスが軽減できるだけでなく、幸福度や学力、集中力、記憶力、また免疫力を高める効果があるとして、欧米では心理学的療法として注目されており、GoogleやFacebookなどの世界的企業でも取り入れられ、医療の分野だけでなく教育や企業などでもストレスマネジメントとして活用されています。


現在の「マインドフルネス」は、1979年にマサチューセッツ大学のジョン・カバット・ジン博士がMBSR:Mindfullness Based Stress Reduction(ストレスを低減するためのマインドフルネス)を開発し、ストレス性胃腸炎、頭痛、不安障害など幅広い効果が認められたことから、宗教色を排除した新しい「瞑想」の形を作り出したことに始まります。また、オックスフォード大学にあるオックスフォード・マンドフルネスセンターでは、ストレスや不安、疲労、さらには鬱などにも対応できるMBCT:Mindfullness Based Congnitie Therapy(マインドフルネスのサラピー)が開発されており、脳科学や心理学的にも大きな影響を与えていると言われています。


思考の選択肢を増やすことで視野を広げる



「マインドフルネス」は、物事をちょっと違う角度から見ることで、考え方を変え、またどのようにして自分自身の人生と向き合っていくかの選択肢を増やすための実践法です。様々なメディテーションなどを通じて、自分自身の今の体の感覚や「気づき」に意識を持っていくことによって、先行きのわからない未来を案じたり、物事をネガティブに分析したりする心の流れの連鎖を断ち切ることが可能になると言われています。

そうは言っても、初めからマインドフルネスを実践できる人は決して多くないのも事実。心も体と同じように、繰り返しトレーニングしていく必要があり、引き締まった美ボディをつくるのと同じように、心もフィットネスによってマインドフルな思考力をつくることができるのです。

なにかと落ち込んだり、ネガティブな思考になりがちになったりするという人は、決して少なくないはず。少しでもポジティブでハッピーな自分を手に入れるために、まずはマインドフルネスを実践してみるのもいいかもしれません。