Akiko Yamanaka
感情を上手にコントロールできるようになる4つのステップ

ちょっとしたことでイライラして、表情や態度に出てしまうという人も多いかもしれません。あるいは、誰かのコメントにひどく落ち込んでしまったり、自分のミスや失敗に塞ぎ込んでしまったり…。こうした感情は、ネガティブな気持ちになりやすく、人間関係を壊してしまったり、自己肯定感が低くなったりとあまりいいことがありません。
では、感情がコントロールできるようになるメリットとはなんなのでしょうか? 第一に、自分の感情をより深く理解することで、相手の感情も理解できるようになり、良い人間関係が築けるようになると言われています。また、自分自身の感情と上手く付き合えるようになることで、感情に振り回されることがなくなり、自己肯定感を高められると考えられています。
アップダウンしやすい感情をコントロールできるようになるためには、まず自身の感情を理解し、しっかり向き合うことがカギになると言われています。私たちは、自分の感情のことは自分で理解しているつもりになっているようで、実際は直接その感情に向き合っていないことが多いのだそう。
今回は、そんな「感情」をコントロールできるようになるための4つのステップをご紹介したいと思います。
1.「感情」の存在に気付くこと

自分の感情を自由自在に操るというのはなかなか難しいものです。気がついたら、いつのまにか感情が溢れ出ていたなんてことはざら。はじめのステップは、まず湧き上がってくる感情の存在に気付くこと。例えばもし、あなたの友人に何か言われたことで、ムっとしたり動揺してしまったとします。そんな時は、湧き上がる感情や不快感を無視したり感じなかったことにしようとしたりせず、もっと注意深くその感覚を自分なりに観察してみるといいそうです。そして自分自身に「この感情は何?怒り?」と問いかけてみます。そうしたら、今度は「私は今、怒りの感情が込み上げている」と客観的に自分に語りかけてみましょう。
2. その「感情」を認めること
次のステップは、その感情を受け入れることです。もし、受け入れることが難しかったとしたら、自分自身に対して、そういった感情を持つことを許してあげることでも良いそう。その感情を消し去ることは、決してできないことを自分に言い聞かせ、また「友達に対して、こんな感情を持ってはいけない」とか「私はきっと繊細すぎるんだ」などと自分を責める必要もないと言います。この感情を持つことに対して「悪い」か「良い」かの自己判断せずに、シンプルに「ああ、自分は今痛みを感じている」と考えることが大切です。
3.「感情」の中身を調べてみる
続いてのステップは、オープンなマインドと純粋な好奇心を持って自分の感情を探索してみてください。こうすることで、沸き起こる感情に刺激されて自分や他人を責める気持ちとは、全く異なる気持ちが現れると言います。人は感情に揺さぶられてしまうと、簡単に「私はこんなことをされて怒っている。あの人が許せない!絶対にぎゃふんと言わせてやる!」というような考えを持ってしまいがちになります。でも、そう考える前にまずは自分の感情の実態を観察してみることが大切だそう。例えば「怒り」は、通常「悲しみ」や「絶望」「恐れ」が複雑に絡み合って作り出されます。一つ一つの気持ちを注意深く読み解くことで、感情の大きな塊が解される効果もあると言われています。
4.「感情」を持つ自分自身を決めつけない

最後のステップは、何かに対する自分の気持ちを決して「決めつけない」ことです。例えば、あなたが誰か特別な人に対して、あるシチュエーションで、ある会話から怒りを感じていたとします。でも、だからと言って「私は怒りっぽい人間である」と思い込まないことが大事です。まずは、どんなシチュエーションでも、「自分は怒りを感じてもいい、恐れを感じてもいい」と許してあげること。そして「私は怒りっぽい」とか「私はひどい人間だ」などと決めつけることなく、自分に対しても優しく、そして客観的に「ああ、今、自分は苦しいんでる」と分析してみましょう。そうすることで、自分を否定することなく自分自身と接することができるようになり、また、他の人に対しても思いやりのある行動をとることができるようになると考えられています。
自分の湧き上がる感情を消し去ることは決してできませんが、「いったいその感情がなんなのか」を知ることで、自分の感情との上手な付き合い方を学ぶことができるようになるでしょう。