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  • 執筆者の写真Akiko Yamanaka

Interview with Momoe / Zen Eating代表のMomoeさんにインタビュー 

更新日:2021年8月17日


禅に着想を得て、心の在り方を磨く食ワークZen Eating。身体感覚を研ぎ澄ます食べ方を瞑想となぞらえるその試みは、Google米国本社やアクセンチュアでもチームビルディング/健康増進プログラムとして採用されているほか、コロナ禍に4ヶ月で30ヵ国、500名の心の安らぎに貢献するなど、今世界からも注目を集めている。今回は、そんなZen Eatingを開発し、代表を務めるMomoeさんにインタビュー。山伏のおじいさまが住む山形が故郷で、幼少期はエジプトに在住、また星野リゾートでのウェルネス担当の後、水道電気のない家に突撃ホームステイする2年間のインド移住を経験したというMomoeさんに、「食べること」そしてマインドフルイーティングについてのお話を伺いました。


五感を研ぎ澄ませながら食べることで、日常の食事が豊かに感じるものです。 生きる楽しさを再発見する時間になるはずです。

MINDBODHI : Zen Eatingとはどのようなオンラインワークショップなのか教えていただけますか?

Momoeさん:はい。Zen Eatingが提供しているオンラインワークショップでは、瞑想のように、丁寧に食事をする時間を過ごしていただきます。ガイドに合わせて一口ずつ丁寧に食べることで、食事をきっかけに、心が穏やかになる体験型のオンラインワークショップを提供しています。


心が落ち着いて思考も整い、前向きな気持ちが沸いてくると言っていただくことが多いです。

「多忙な現代で無意識に過ごしがちな食事時間を、ゆとりを持って過ごすことが、毎日を豊かにするヒントになる」そんな声を沢山いただいています。

禅にインスピレーションを得ながら、食という身近な行動をきっかけに心が調う習慣がご提供できたらと思っています。

五感を研ぎ澄ませながら食べることで、日常の食事が豊かに感じるものです。 生きる楽しさを再発見する時間になるはずです。


MINDBODHI : Zen Eatingを立ち上げようと思ったキッカケはなんだったのでしょうか?

Momoeさん私がこれまで探求してきた、「食」と「禅」の2つが合流した地点に、Zen Eatingが生まれました。

まず1つ目「食」についてです。私の母はリウマチという不治の病に長年苦しんでいました。私が高校生の時に、母が食事を粗食に変えたことで、10年以上薬なしでは生きられなかった母が、みるみるうちに元気になるのを近くで見ていて、驚いた経験がありました。「食べるものと健康は深く結びついているんだなぁ」と実感した出来事でした。

そこから私は、「What to eat」が私達の身体を作る!と鼻息を荒くして、マクロビオティックを習ってみたり、インドに2年間移住してアーユルヴェーダというインド古来の伝統医学(インド版薬膳のような、身体のバランスを整えるホリスティックな代替医療)を習ったりしました。アーユルヴェーダにも栄養学があり、鼻づまりには乾燥した食べ物を、不安が強い時はどっしりとしたオイリーなものを、など数千年続く素晴らしい叡智があります。それを学ぶことも面白くて、アーユルヴェーダの考えに基づいた食事をカフェで提供したり、料理教室を開催したりしていました。


食べる時の心の在り方が調えば、自然と食べるものも調ってくるのでは?と思いました。

そこで、2つ目の「禅」が出てくるのですが、私はインドに移住してしまうほどに元々、精神探求に関心が強く、大学の研究テーマは「禅と日本文化」でした。

幼少期エジプトに住んでいたり、海外から見た日本という視点を常に持ってきたのですが、特にインド移住から26歳で帰国した時に、日本の精神性の叡智の素晴らしさを再認識しました。

What to eatを決めるのは、How to eatでは? 食べる時の心の在り方が調えば、自然と食べるものも調ってくるのでは?と思いました。

What to eatを伝えることに一生懸命だった時は、楽しかった反面、ジャッジメンタルになってしまう時もあって、少し窮屈さを感じてたのかもしれません。

禅には、心を磨くための教えが沢山あります。

坐禅だけでなく、毎日のひとつひとつの行動、(掃除、料理、食事など)が全て修行だという考えも現代の私達が取り入れやすい理由の一つです。

難しい禅の教えをそのまま伝えるのではなく、現代人に合った形に翻訳、編集することが僧侶ではない私だからできるアプローチだと考え、易しい禅体験を目指しています。 禅からインスピレーションをもらうことで、食事時間が心が磨かれる楽しい修行、禅体験になると考えています。

長くなりましたが、

今まで私が取り組んできた「食」と「禅」を繋ぐことで、現代の人が普通の生活の中で心に安らぎを感じられる時間を提供できたらと考えて始めました!




MINDBODHI :食を通じて精神性を研ぎ澄ますことで、私たちの体にどんな効果が得られるのでしょうか?

Momoeさん短期と長期の2つの視点があります。

まずは短期では、心地が良いということです。

森にリトリートに行く時間がないときも、例えばサクッとランチタイムに究極のリラックス状態が得られます。

それは、食材を通して、その食材が育った環境を感じることで起こる気持ちかもしれません。声での誘導で「どれくらいの時間をかけて目の前に食材として存在してくれているでしょう?」と問いかけると参加者の方は「わ~」と感嘆の声を上げたりします。

そして、心地よさの理由のもう一つは、私達がいつも頭を使いすぎていることにあります。

日常で一番多いのは、視覚からの情報ですよね。目を閉じて、味覚嗅覚を丁寧に味わうことは単純なことですが、眠っている身体の感覚を揺り起こすのに最適なんです。

「毎日食事しているのに、お米の味がこんなに深みがあるって初めて体感した」と涙を流す参加者さんもいます。

身体の感覚を研ぎ澄ませることで、常に働いている脳が休むことができて、究極のリラックス状態が訪れるんでしょうね。

そして長期の効果は、沢山あり過ぎるのですが、 例えば「食べる量が適量になり4キロ痩せた」「食欲が湧かないことが悩みだったが、食べる楽しみを身体が思い出した感じ」「甘いもの中毒がおさまった」「地球に優しいものを食べたいと感じるようになった」「料理をしたくなった」こんな声をよく聞きます。


おいしさがどこから来るかを感知することが、身体の声を聞くこと、身体が喜ぶものを食べることに繋がっているような気がして。

MINDBODHI :Momoeさんが、毎日積極的に取り入れている食材はありますか? また食材を選ぶ時に心がけていることはありますか?

Momoeさん食材は、心から笑顔で食べられるものを選んでいますかね。

笑顔の基準はフレキシブルです。「日本にいるから日本の食材を!」という意識の時もあれば、「伝統的な製法で木の桶(おけ)でお蔵で作られた醤油を選びたい」の時も。

最近ハマっているのは、身体のどこが美味しいと反応するかという判断基準です。

私の場合、ポテトチップスを食べるとおでこの辺りから”おいしさ”が広がり、野菜出汁を食べると胸のあたりから”おいしさ”が広がるんです。

このおいしさがどこから来るかを感知することが、身体の声を聞くこと、身体が喜ぶものを食べることに繋がっているような気がして。

情報が溢れる時代で何を選んで良いか迷ってしまうし、情報で食べ物を選んでいる時はしかめっ面になってしまうことに気づいたんです(笑)

それからは自分の身体に聞くようにしています。Zen Eatingでお伝えしている食べ方は、「身体の声の聴く力」が養われるようになっていると思っています。




MINDBODHI :現在、このコロナ禍で多くの人たちがストレスによるプレッシャーを感じていると思いますが、メンタルヘルスを維持するために、ももえさん自身が心がけていることは何ですか?

Momoeさん食べ過ぎないようにしていますね。食べ過ぎないといっても、簡単な方法です。

何か食べたいものがあるときに、その食欲がお腹から来ているか舌から来ているかを、身体で感じてみるんです。

信じがたいかもしれませんが、食欲を感じた時にぜひやってみてください。空腹だと思ったけれど、実は食後に甘いものを食べるのが習慣になっているだけかもしれないんです。人に習うより自分の身体を通して体感した方が納得感があるはずです。

身体の声ってどう聞いたらいいの?という方は、目を閉じて、深呼吸しながらお腹を触ってみてください。その次に、頬やアゴを触ってみると食欲がお腹から発生しているか、顔や舌から出てきているかかすかにわかる気がしませんか?

どの栄養素を何グラム食べるとかって管理する食べ方が私はできないタイプなので、こうして身体の声を聴いて適量を食べるということを心掛けています。



MINDBODHI :リトリートの旅に出かけたり、決まったセルフケアのルーティーンがありますか?

Momoeさん祖父が山を持っているのですが、その山で野草や野生のキノコを採って食べるのが私にとってのリトリートです。土の香りを嗅ぎながら、野生児になった気分でのびのびと山と遊ぶ時間は良いセルフケアになっています。自然に包まれると都会での悩みや焦りがちっぽけに思えるような体験は多くの方があるんじゃないでしょうか。

もうひとつ、コロナで遠くに行きにくくなった今こそ、食を通した自宅リトリートがオススメなのですが、ご自分にとって、自然を感じられる食材を並べて、レシピを見ないで料理してみるんです。

野菜を切るときに香りを嗅いでみたり、生で一口噛んでみたり。野生児気分は自宅でも味わえるんだなぁと実感しています。

あとは、公園で土や木を触ったり、裸足で歩いたりもしていますね。身体で大地を思い出す時間も、野生児の妄想に役立っているかもしれません。

MINDBODHI :今までマインドフルイーティング取り入れたことのないという方へ、まずはどんなことから取り入れたら良いかアドバイスをいただけますか?

Momoeさん素敵なご質問ありがとうございます。

簡単な食べ方を2つオススメします。

1つ目は、食べる前に目を閉じて深呼吸することです。

いただきますを言う前に、胸の前で手を合わせて大きく一度深呼吸をします。

深呼吸をしながら、忙しい日常モード=頭でコントロールしている状態から、身体モード=全身で味わう準備に、モードを切り替えるイメージです。

始めの一呼吸を調えるだけで、その後いつも通りのスピ―ドで食べても無意識の内に、細部に丁寧さが宿っているはずです。

2つ目は、食べる時に携帯やパソコンを手の届かないところに置くことです。

最初の3口だけでも良いんです。常に外から連絡が入ってきたり、気づいたらSNSを見ていたりしがちな日常の中に、静寂の時間を取ることをおすすめします。

「毎日の瞑想習慣が良いらしいと聞くけれど、面倒だなぁ。集中して座っているとソワソワする」と感じる方には、特に、この食べ方で食べる時間を瞑想時間にすることができるのでおすすめです。

とにかくこの記事を最後まで読んでくださったあなたは、きっと「一生懸命やる」が習慣になっている、頑張り屋さんですから、肩の力を抜いて、まずはベイビーステップ、簡単な第一歩目を閉じることだけでも取り入れてみてくださいね!

一人ではやり方がわからない、集中できないという方は、オンラインのワークショップも開催しているので、ぜひZen EatingのSNSからイベントご参加くださいませ。



Momoeさんのウェブサイト

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